【活動記録】 鹿間裕行先生 講習会

2019年 第5回 金沢講習会[◆剣体研究会◆] [韓氏意拳 養生功・初級]

 

7月26日(金)19:00~21:00 ◆剣体研究会◆(一般参加)

場所 金沢安原スポーツ広場 多目的室

 

7月27日(土)10:00~12:30 韓氏意拳 養生功(体験参加可)

     14:00~16:30 韓氏意拳 初級(会員対象) 

 

場所 金沢市額谷ふれあい体育館 多目的室

 

◆剣体研究会◆

 

約2ヶ月ぶりに開催された剣体研究会は、常連さんと他流に心得のある方の参加となりました。準備運動がてら剣をもち前後左右を含む立体的な8の字運動をした後は、みっちりとテーマに入っていきました。

 

今回のテーマは浮きと沈みが体に同時に起こるさまでした。たとえば天秤や井戸の釣瓶のように一方が重くなれば一方が軽さを表現する様子を、足と手でみていきました。

 

よく起こりがちなのですが、足が軽くなるときに肩が浮き上がって腕と体に分離してしまうことがあります。どうすればそうならず、足にあった重さが手にかかって重くなるかを見ていきました。

 

ぼくは今回鹿間先生に伝えてもらってその違いをはじめて認識することができましたが、この2つの違いは大変な違いです。3次元的に展開する立体感のなかに生息できるかできないかの違いになるからです。

 

立体感を見いだす最初の要件としては足が浮いていることが挙げられます。足をドシンと着いてしまうと、一方行への働きしか持たないので、足は浮いている必要があります。今回のテーマはこうした理解に続く整理のポイントとなると思います。

 

講習は剣体研究会らしく手に体重が乗るか? という問を「剣に体(たい)が乗るか?」に替えながら続きました。そして乗るとどうなるのか、乗って自由に動けるか? と試していきました。

 

なにしろ立体感の要となるポイントなので、先生に伝えてもらう際に、言葉とか概念の落としどころで理解するより、なるべく立体感をまるごと受け取るよう努めていたように思います。感覚を選り分けて、習慣的なものから新しい感覚の方をみていくのは中々こそばゆい作業で、把握したと思ったら失くしたり、気が遠くなるようなささやかさに没入することになります。

 

ぼくは、いったい人間がどのような体の能力を持っているのかその全貌を知りません。立体感はしかしひとつの全貌です。それを伝えてもらってもいることは、ある意味で宇宙人に宇宙の仕組みというか、地球の作法を教えてもらうような言語道断のやり取りなんだなぁ……などと、不意に感慨に耽るところがありました。

 

<韓氏意拳>

 

今月は養生功と初級会員クラスの2本立てでした。石川分館では今後、継続的に韓氏意拳に触れてもらう機会を増やすべく養生功の開催を増やそうと思います。養生功クラスでは、拳のような突発性を生み出す高密度の整体は要求されませんが、気持ちよく意の通る身体を目指します。

 

韓氏意拳では"正解"を押し付けることはありません。各々が「身体にたずねる」ための要件の満たし方を伝えてくれるだけです。養生功は「強さ」という欲求を表立って相手にしない分、韓氏意拳のそうした性質をより明確にしてくれるようです。

 

今月の養生功クラスでは「注意」が如何に身体の連動性や整体性を導き出すかをみていきました。そこで現れるのは、任意の操作をしないのにその時々で可いように感応する自分です。そして初級クラスでは、その連動性のまま動いていく練習をしました。

 

それはつまり、自分の体重を活かして運動するということです。体重が運用されることになるとき、力感は皆無で部分操作は不要です。自分が唯そのようにしてあること即「強さ」になるというのは、現代的習慣や俗説に浸かっている我々にとってダイナミックな生き様の転換をもたらすと思います。

 

韓氏意拳鹿間教室養生功クラスは、そうした転換を目指す人にとって最適な入口のひとつです。どうぞ体験しに来てください。

 

笹井

2019年 第4回 金沢講習会[韓氏意拳 中級・初級][◆剣体研究会◆]

 

5月4日(土)10:00~12:30 韓氏意拳 中級(会員対象)

     14:00~16:30 韓氏意拳 初級(体験参加可)

     16:45~18:45 ◆剣体研究会◆(一般参加)

 

場所 金沢安原スポーツ広場 多目的室

 

【韓氏意拳レポート】

 

午前の中級は中級拳式を中心に行いました。吸(身体がまとまる、あつまる感じ)、就(つく。身体に掛かりが起こる感じ)を手がかりにしながら歩のなかで「順力逆行」を学んでいきました。その辺りはまだまだ体認不十分ですが、それでも楽しいです。韓氏意拳の稽古の美味しいところの一つのような気がします。

 

この講習の次の日、田んぼに入る機会がありました。足が先に出るわけでも、体が先にでるわけでもなく同時にスーッと移行することができると、泥のなかでも足を取られずに移動できます。この数カ月、歩法を主なテーマに練習しているのですが、難しいだけに、ほんの少しでも身についてくると大きく喜ばしいものです。

 

そういえば、今月は旋転歩の一歩目や小車歩のような、同側の手足が出る際に、出る方が体重を持っていく感じを教えてもらったことも印象に残りました。

 

 

【剣体研究会レポート】

 

GWということもあり、いつもとは違った顔ぶれでの剣体研究会となりました。常連さん、久しぶりに参加された剣術愛好家のNさん、初参加のMさんと中学生&小学生の息子さんというバラエティ豊かな顔ぶれです。

 

剣体研究会ではじんわりヒシヒシ見出したい内容を取り扱うことも多いですが、この日は動作の内実に馴れた方と元気満々の若者ですから、いつもよりもアクション多めの稽古となりました。

 

アクション多めといっても、剣と身が離れてぶんぶん振り回すことはしませんし、体重の運行と足がバラバラにならないようにも気をつけます。

素振り、歩を伴った素振り、二人組の稽古、と進んでいくにつれ、素振りの内に見出したい質が攻防の中でどのような意味を持つのかが明らかになっていきました。最後はおさらいとして素振りに戻って終了。剣体研究会史上いちばん笑い声の溢れた会となりました。

 

 

 

 (笹井)

2019年 第3回 金沢講習会 【韓氏意拳 中級・初級】 

3月22日(金)19:00~21:00 ◆剣体研究会◆(一般参加可) 

3月23日(土)10:00~12:30 韓氏意拳 初級クラス(体験可)

       14:00~16:30 韓氏意拳 初級クラス(会員対象)

場所  金沢市総合体育館 第三会議室

 

【◆剣体研究会◆レポート】

その場で剣を上げ下げするところからはじまりました。そこで見出したい感覚は「しなり」。剣を上げれば身体がピーンとしなるように張る感覚を掴まえ、剣を下げてもそれを掴まえます。そのしなりを開放すれば、突発的に動くことが可能ですが、その動きもまた次の動作へのしなりを備えなくてはなりません。パワーを単純に発散する形では使わないということです。

 

なかなか見つけづらい感覚ですが、素手でなく道具を持っていること、また鹿間先生の接触を借りると把握しやすくなりました。特に、身体の末節ではなく根節から動き出してしまうとしなりが活かせなくなり、末節から動くとしなりが活かせるという違いが分かりやすかったです。

 

自分の場合は上述の通り、根節から動いて溜めやしなりをなくしてしまうタイプですが、周りを見渡すと、末節を振り回して溜めの効かない位置に置いてしまうタイプの方もいて、違うもんだなぁと思いました。

 

受講者との応答のなかで鹿間先生から出た言葉が印象的でした。「(先生の)真似をしてうまくいけばそれでいいし、真似をして分からないことが分かれば、分解して練習すればいい」

 

剣体研究会では、複雑な要素を分解して練習するという方法をよく採ります。練習方法を振り返りながら一連の動作を練習したり、より単純な要素に絞って練習したりしていれば、少しづつ理解も深まり、身体との連携も高まっていくと思います。今回の内容は自主練習の集まりでも取り上げてやってみようと思います。

 

【韓氏意拳 レポート】

初級会員クラスでは、先月に引き続き歩法の練習からはじまり、その後は五行拳を一通り行いました。

「横竪力」と呼ばれる横の働きと竪の働きをひとつづつ検証したり、どのような要件が揃えば両立するのか体験しながら五つの拳の違いと関連をみていきました。

 

五行拳は初級体系のなかでは最後に位置づけられるだけに、含まれる内容が緻密で複雑です。自分を含め常連参加者にとっても手強い課題ですので、新会員のHさんにとっては何が何だかさっぱりハテナかもしれないなぁと思いながら横目で観察していました。

 

すると「横の働き」をもたらす転体(身体の回転)をまさに初めて体認していました。転体は普遍的な働きをもちながら、わたしたちはなかなか普通に体得していないことですから、先生の解説と動く様子を見たうえで、触れてもらい初めて出会うことになります。韓氏意拳では接触伝授を通じて色んなかたちで「自然」を体験しますが、転体は特にダイナミックに世界観が代わるところ。Hさんの変化の様子は見応えがありました。

 

クラスの最後に鹿間先生が語ってくれた内容は今後の練習の道標になると思います。

「なぜゆっくり行うのか。急ぐと単線方向に強くなるからです。横竪力のように複雑でいろいろな力を含む内容を見出そうとすると、急がずゆっくり行うことになるのです」

 (笹井)

2019年 第2回 金沢講習会 【韓氏意拳 中級・初級】 

3月22日(金)19:00~21:00 韓氏意拳 中級クラス(会員有資格者) 

3月23日(土)10:00~12:30 韓氏意拳 初級クラス(体験可)

       14:00~16:30 韓氏意拳 初級クラス(会員対象)

場所  金沢市鳴和台市民体育館 第一会議室

 

【韓氏意拳レポート】

いつもは剣体研究会1コマ韓氏意拳2コマで開催しているのですが、今回は会場確保の都合もありはじめて韓氏意拳3コマ開催でした。中級、初級体験可能クラス、初級会員向けクラス、それぞれに共通するところはありつつも、多彩なテーマを取り上げていただきました。

 

それにしても毎度驚くのですが、手把手の際に鹿間先生が力の種類を弁別する精度は凄いです。以前うかがったところによると、スーパースローモーションカメラで撮影された映像は肉眼より細かく出来事を把握することが可能ですが、接触を通じてまるでそのように手に取ることが可能だそうです。

 

そうして力の種類を弁別してもらえるのも有り難いのですが、接触を終えたとき、鹿間先生が細かな領域に入っていたその細かさがジーンとこちらの体に残されて、一人稽古ではあり得ない質に入るのが掛け替えのない体験となります。接触を通じた拳学の醍醐味はとても言い尽くせる内容ではありませんね。

 

さて、今回は会員向けの初級クラスで取り上げた「重心」について記そうと思います。2時間半みっちりと歩にまつわるあれこれを稽古したのですが、申し訳なさを感じるほどに上手く体現できなくて困りました。しかしその都度、より簡単な要素に焦点を絞って伝えていただいたおかげで、なんとかほんのり新しい質を見出すことができました。

 

その質は鹿間先生の語るところによれば、「重心と一緒に体が移動する感じ」「一歩出たときに後ろ足で蹴ったり体重が残ることなく早々に撤去する」「両足の間に重心を残したまま運用するのではなくドーンと外へ移動する。まるで雛鳥が巣立ちの際に踏み出すように」とのことです。

 

ぼくは最近散歩が趣味でよく歩きます。その歩を思い返してみると、ずっと両足のあいだに重心があり、そのため重心移動としては僅かで主に足の運動で距離をくりだしていたようです。ドーンと前方に重心を置いたまま歩いてみると、両足の間にあるときのような淀みや非連続性がありませんでした。

 

歩はなかなか手強い課題ですが、どうしても身につけたいと思う気持ちも大きいです。次回の講習会まで3週間。練習しておこうと思います。  (笹井)

2019年 第1回 金沢講習会 【韓氏意拳養生功・初級】 

1月19日(土)10:00~12:30 韓氏意拳 養生功クラス 

       14:00~16:30 韓氏意拳 初級クラス

場所  金沢市総合体育館 第三会議室

 

【韓氏意拳レポート】

今月の韓氏意拳は中級クラスをお休みして、養生功と初級クラスを開催しました。どちらのクラスにも体験参加者が複数来ていただけましたので、初歩からの内容を多く含みました。

 

それにしても韓氏意拳の面白さの一つは、初歩の内容が奥義のような深みがあるところです。

 

たとえば「一形一意」「形意合一」という用語で表現されている、何かをやろうとする意と行いに分離のない状態は、身体を練っていく果てにあることでもあり、赤児の振る舞いにあるようなことでもありますから、あらゆる地点から新鮮にアクセスできる深みがあるのだと思います。

 

自分の体験になりますが今月は手把手を受けた際に、今まで使われていなかったであろう部分が動作に参加しはじめました。遠い記憶を呼び覚まされるような懐かしく新しい感覚が走馬灯のように駆け巡り、感動してしまって、涙を溜める場面がありました。

 

鹿間教室では方法化した行いを繰り返すことなく、毎回新しく行えたかを問うていきます。その新しさのなかには「身体のより上手な使い方」や「より効率の良い使い方」というようなテーマも自然と含まれます。

 

表立ってそのテーマを扱うわけではない分、取りつきやすい手掛かりとしては薄くなりますが、そうすることの意義、そうしたときのかけがえのないイキイキした状態を、体験参加の方にはそれぞれどこかで感じとっていただけたようでした。また自分も改めて感じ入るところがありました。

 

生きていることはかけがえのない瞬間の連続です。

 

方法化や法則性に則ることは、どこかでより良い未来を先取りしようとする願望が潜んでいる。でも、その願望は今を生きることで充分叶えられているのだと。

(笹井)

2019年 第1回 金沢講習会 <剣体研究会>

1月18日(金)19:00~21:00 剣体研究会 

場所  金沢安原スポーツ広場 多目的室

 

[ 剣体研究会レポート]

今回の剣体研究会は初参加の方が複数いましたので、双手帯という剣の持ち方とその理を体験するところからはじまりました。

次いでゆっくりとした剣の上げ下げを、剣先がスッと動きはじめる原動力のまま完遂できるか試していきました。

講習が進むにつれ、左右に身体が転じること、一歩でてみることなど、徐々に複雑ななかで動きやすい状態を保持していられるかが問われてきました。

 

以上のような理解と体験を深める流れがありましたが、どの要素にしても体現するのは簡単ではありません。少しづつ稽古を重ねたいと思います。

(笹井)

風の先、風の跡~ある武術研究者の日々の気づき

 

【 料金(税込) 】 540円(税込) / 月 

 

【 発行周期 】 月2回発行(第1,第3月曜日配信予定)

 

甲野善紀先生のメールマガジンVol.181<笹井信吾氏との対話 その1>より、笹井氏との往復書簡 連載始まりました。

 

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<夜間飛行>http://yakan-hiko.com/